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2024/12/18
12/4 12/8耳ツボセミナーを開催しました
耳ツボの歴史は、フランスの医者であるポール・ノジェ博士が1956年に耳と身体の各器官の関係を発見したことに始まります。
ノジェ博士は、ある地域の「耳を焼いて腰痛を治す」という民間療法から、耳と身体の密接な関係を研究し発表しました。
一方、中国では古くから耳に注目しており、4,000年前の「黄帝内経※」という書物に「耳を見ることで健康状態を知ることができる」と記述されていて、1958年から耳針療法が行われています。
耳には体全体に相関する約110個のツボが集中していると考えられています。
ノジェ博士が発表した耳介反応点は西洋医学をベースとした理論で、中国式の耳鍼は東洋医学をベースとしています。
一般的に知られている耳ツボの図は中国式がほとんどです。ツボというのは、「気」の出入り口とされていて気の状態がよく現れます。つまりツボに「圧痛」「凝り」が現れた時には、何らかの原因で「気」の状態が乱れ、身体の内臓・器官に不調が生じていると診ることができます。
耳には自律神経に作用するツボが集まっているため、耳つぼを刺激すると自律神経のバランスが整い、心身の不調を緩和する効果が期待できます。
耳介の特定のポイントやゾーンを刺激することで、さまざまな疾患に効果的な治療法である耳介療法の対象となる部位を耳介反応点といい、耳介療法は、フランス人医師のポール・ノジェ博士によって提唱されました。博士は、耳には胎児を逆さにした形で人体の各器官が投影されていると発表し、耳介の刺激がさまざまな疾患に効果的であると発表しました。耳の特定のポイントをツボといい、耳には身体全体に繋がるツボがたくさん存在し、内臓の不調を整えるツボを刺激することで、内臓の働きが高まり、ストレスが軽減するといった効果が期待できます。特に耳甲介腔(じこうかいくう)には食欲を抑えるツボが集中しており、自律神経バランスを調整して肥満を改善する作用が期待でき、耳介の神経は身体の各器官や臓器の状態があらわれる反射区であると捉えることができます。
耳の周りには自律神経が多く通っています。自律神経は内臓や血管、内分泌のための器官のコントロールを主な役割としていて、交感神経と副交感神経に分けられます。
自律神経が乱れるというのは、交感神経と副交感神経のメリハリが乱れることで、夜になかなか寝つけない、寒い時にカラダが中々温まらない、暑い時に汗をかけなかったりという症状がでます。いつも交感神経が高ぶった状態が続くと、血流が悪くなり肩こりや頭痛などの症状がでます。
耳のゾーンについて
上部:神門ゾーン:自律神経のバランスが整い、心身の健康増進に繋がります。
神門は東洋医学では「気」の入り口とされています
神門を刺激することで「気」の流れを整えることができます。
中部:肩・首ゾーン:首や肩の血流を促進するツボが集まっています
下部:頭ゾーン:脳の血流を促します。
感覚を感じる器官には、次のようなものがあります。
目(視覚)耳(聴覚)鼻(嗅覚)舌(味覚)皮膚(温度・触覚・痛覚・振動感覚など)前庭(平衡感覚)半規管(回転)
感覚器官は、光や音などの刺激を感じるために特別に作られた体のつくりです。感覚器官で得た情報は、感覚神経を介して脳に伝達されます。頭のゾーンを刺激することで眼がスッキリする、味覚が敏感になる、嗅覚が鋭くなるなどの変化がおこります。
東洋医学では気血水といった3つの要素が互いに助けあいスムーズに循環している状態が理想という概念があります。
気:元気、陽気、活気、眠気など気のつく言葉は身近に沢山あります。元気は生命活動の根本の気で原動力で、エネルギーのことです。
血:全身に血液と酸素を運びます。「気めぐれば血めぐる」といわれ、気の移動により血液循環が行われます。
なので、元気がなければ血液循環がスムーズにおこないにくくなるということです。
水:唾液、胃液、腸液、涙、汗、尿など体内を満たしている水分です。体内の臓器、組織皮膚、粘膜を潤わせて養います。
気血水のバランスが崩れ血が滞った状態、どれか一つ体内に働きの弱まった部分が生じてくると気血水の要素全体に悪影響を及ぼし、その結果カラダ全体のバランスが崩れると考えらえています。たとえば気が不足すると血の循環が滞り体内の諸器官は栄養不足と酸素不足になってしまいます。その結果、心身の状態を悩ませる症状がでて不定愁訴や病気になったりします。
耳は身体の中でとても小さな器官であるので、全身の臓器や器官の反射躯を小さな圧力で刺激することができます。脳は筋肉のおよそ3倍の酸素量を必要として、耳への刺激が酸素と血液を脳へ充分に送り脳への血流を促進、機能を最大限に発揮させてくれることに繋がります。 そして自律神経のバランスが整い心身の健康増進に繋がります。
※補足資料 中国医学の三大古典
中国三大古典は漢王朝時代に成立し、漢方医学の基盤となっています。現代の臨床医療でも基本とされました。
•黄帝内経(こうていだいけい)内訳:黄帝内経素問と黄帝内経霊柩の二つで構成されている
•神農本草経(しんのうほんぞうきょう)
•傷寒論(しょうかんろん)
「黄帝内経」とは「陰陽五行説」、「気」や「経路」の概念で医学を説いた原典で、 「黄帝内経素問」(こうていだいけいそもん)いう医学理論、鍼灸理論の書と、臨床に重きを置いた「黄帝内経霊柩」と合わせて「黄帝内経」といいます。
「神農本草経しんのうほんぞうきょう」 365種の薬物が効能によって上中下の3つに分類されて記されています。
「傷寒雑病論しょうかんざつびょうろん」発病から死に至るまでの経過の中から代表的なパターンを取り上げ、それに対してどういった薬方を出すべきかが記述されてる2つの書物で構成されています。
これら3つの書物が中国医学の三大古典とされていて日本の漢方医学にも大きな影響を与えています。
漢方医学とは「病気を持つ人」を治療対象と考えていて、未病に視点をあてています。疲れやすい、胃もたれ、冷え、イライラなどの症状を改善する、個人の体質や特徴をみて心とカラダ全体を一体としてみて身体全体の調和をはかる医学で、生薬である漢方薬を使いツボやゾーンを診たりします。